Correia, R.S., Komorizono, A.A., Tagliaferro, J.C., Pessoa, N.C.S., Mastelaro, V.R. “ZnO/rGO/ZnO Composites with Synergic Enhanced Gas Sensing Performance for O₃ Detection with No Ozonolysis Process.” Chemosensors 2026, 14, 10. https://doi.org/10.3390/chemosensors14010010
大気汚染は人体の健康や環境に深刻な影響を与えることから、高感度かつ選択性に優れたガスセンサの開発が近年急速に進められている。特にオゾンは強い酸化力を持ち、産業分野での殺菌剤として広く利用される一方、長時間曝露により気道刺激や肺機能低下を引き起こすため、世界保健機関は8時間曝露限界を50 ppbと定めている。n型半導体である酸化亜鉛は3.3 eVの禁制帯幅と高い電子移動度を有し、熱的安定性にも優れることからガスセンサ材料として広く研究されている。一方、p型半導体である還元型酸化グラフェンは2630 m²/gの高比表面積と優れた電荷輸送特性を持ち、両者を複合化することでp-n接合が形成され、検知特性の向上が期待される。
しかし、酸化亜鉛単体では感度が低く、他の干渉ガスとの交差感度や高い動作温度が課題であった。また、還元型酸化グラフェンと酸化亜鉛の複合体はオゾン検出への応用が期待されるものの、オゾンへの曝露によりグラフェン系材料がオゾン分解反応を受けて酸化・劣化するという根本的な問題があり、オゾンセンサとしての実用化が困難であった。
そこで、本研究では酸化亜鉛ナノ粒子で還元型酸化グラフェン層を挟み込んだ「サンドイッチ構造」を採用することで、オゾン曝露時の劣化を防止した。針状および環状の二種類の形態を持つ酸化亜鉛ナノ粒子を沈殿法により合成し、滴下法で複合センサを作製した。その結果、針状形態のZnO/rGO/ZnO複合センサは200℃において50 ppbのオゾンに対し13.3の応答値を示し、一酸化炭素、アンモニア、二酸化窒素と比較して高い選択性を達成した。なお、試料の光学特性評価において、Cobolt社製355 nm紫外レーザー(Zouk)を励起光源としてフォトルミネッセンス測定を行い、酸化亜鉛の構造欠陥密度を解析した。
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
フォトルミネッセンスに使用された355nmレーザー
その他の論文要約はCobolt論文検索ページをご覧ください。

