Gardner, A. B., Gravesen, K. B., Loft, J. C., Tønning, P., Stanton, E. J., Ulsig, E. Z., Volet, N. “Robust and broadband UV laser utilizing Čerenkov phase matching on a hybrid photonic chip.” Optics Express 2025, 33(9), 19330-19341. https://doi.org/10.1364/OE.553404
背景
紫外(UV)レーザーは、大気中での高い散乱特性を利用した非視認型空間光通信や、特定の物質の指紋を特定する深紫外ラマン分光法、精密計測、量子技術における原子遷移の制御 、そして人体に無害な波長とされる222 nmの遠紫外光を用いた除菌など、多岐にわたる先端分野において不可欠な光源である 。これらを実現する手法として、非線形光学現象を用いた波長変換が注目されている 。特に、導波路内の光が非線形結晶へと放射状に変換される現象であるチェレンコフ非線形周波数変換(CNFC)は、製作誤差に対する許容度が極めて高く、広帯域な発光が可能であるという優れた特性を有している 。また、光を閉じ込め輸送する窒化ケイ素Si3N4導波路は、低損失でスケーラビリティに優れる材料であり、高い二次非線形感受率と広範な透過領域を持つバリウムホウ酸(BBO)結晶と組み合わせることで、極めて効率的な深紫外光源を構築できる 。本プラットフォームは、Si3N4の透明性とBBOの強い非線形性を統合し、小型かつ堅牢な光集積回路としての可能性を秘めている 。
従来の問題点
しかし、270 nm以下の波長で直接発振する半導体レーザーダイオードは現時点で存在せず 、従来のバルク光学系を用いた装置は、装置の大型化や高コスト、そして波長可変範囲の狭さが実用化や社会実装への大きな障壁となっている 。また、集積化の試みにおいても、材料や製作上の制約から紫外域での広帯域な動作は困難であった 。
解決方法と結果
そこで、本研究ではSi3N4導波路にBBO結晶を貼り合わせたハイブリッド光プラットフォームを開発し、204 nmから319 nmという極めて広範な波長域での紫外光生成に成功した 。実験では、波長473 nmのCobolt社製固体レーザー(08-DPL473)を青色光源の一つとして用い、第ニ高調波発生による紫外光の生成と放射パターンの検証を実施した 。この構成により、導波路幅が1500 nm変動しても位相整合を維持できる極めて高い製作耐性を証明し 、角度分解遠視野測定を通じて多モード導波路における放射特性を詳細に明らかにした 。
※本要約は、Optica Open Access Publishing Agreement に基づき、作成・公開されています。
論文で使用されたCoboltのレーザー

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