フェムト秒レーザーのパルスは、レンズやウィンドウなどの光学素子を通過する際に群速度分散(GVD)の影響でパルス幅が広がります。光学素子の材質と長さが分かれば、通過後のパルス幅を事前に見積もることができます。
下の計算ツールでは、主要な光学ガラスのセルマイヤー係数から各波長でのGVDを自動計算し、通過後のパルス幅と必要な分散補償量を算出します。HÜBNER Photonics フェムト秒レーザーVALOの分散補償範囲(−20,000〜+3,000 fs²)に収まるかどうかも判定できます。
レーザーパラメータ
nm
fs
光学素子
mm
計算結果
GVD(単位長)
—
fs²/mm
累積GVD
—
fs²
通過後パルス幅
—
fs
パルス伸長比
—
倍
VALO 分散補償判定
必要な補償量
—
fs²
パラメータを入力してください
※ VALOの分散補償範囲:−20,000 〜 +3,000 fs²
※ transform-limitedパルスを仮定。3次以上の分散は考慮していません。
計算式
下記の計算式を用いて、必要分散量を計算しました。
セルマイヤー方程式(屈折率の計算)
各材質の屈折率を波長から求めます。
\[ n^2(\lambda) = 1 + \frac{B_1 \lambda^2}{\lambda^2 - C_1} + \frac{B_2 \lambda^2}{\lambda^2 - C_2} + \frac{B_3 \lambda^2}{\lambda^2 - C_3} \]B₁〜B₃、C₁〜C₃は材質ごとに決まった定数(セルマイヤー係数)で、ガラスメーカーのカタログに記載されています。
群速度分散 GVD の計算
セルマイヤー方程式から求めた屈折率 n(λ) を波長で2回微分してGVDを求めます。
\[ \mathrm{GVD} = \frac{\lambda^3}{2\pi c^2} \cdot \frac{d^2 n}{d\lambda^2} \]d²n/dλ² は数値微分(中心差分)で計算しています。単位は fs²/mm です。
パルス伸長の計算
GVDによるガウシアンパルスの伸長
\[ \Delta t = \Delta t_0 \sqrt{1 + \left(\frac{4 \ln 2 \cdot \mathrm{GVD_{total}}}{\Delta t_0^2}\right)^2} \]この式中のGVD_totalは下記になります。
\[ \mathrm{GVD_{total}} = \mathrm{GVD} \; (\mathrm{fs^2/mm}) \times L \; (\mathrm{mm}) \]4ln2 はガウシアンパルスの場合の係数で、パルス幅をFWHM(半値全幅)で定義したときに現れます。
【参考文献】
セルマイヤー係数:M. N. Polyanskiy, "Refractive index database," https://refractiveindex.info
