Ribeiro, L.K., Sales, A.G., Guardiano, M.G., Ribeiro, R.A.P., Mascaro, L.H. “Theoretical and Experimental Investigation of La Insertion Effects in Nanoscale BiVO₄ Photoanode Films for Real Industrial Effluent Treatment.” ACS Electrochem. 2025, 1, 2053–2070. https://doi.org/10.1021/acselectrochem.5c00164
世界的なアルミニウム生産量の増加に伴い、陽極酸化処理工程から排出される染料廃水の適切な処理が環境保全の観点から重要視されている。反応性酸素種、特に水酸化ラジカルを生成して難分解性汚染物質を効率的に分解できる促進酸化法は、持続可能な水処理技術として近年急速に研究が進められている。光電気化学法は、導電性基板上に触媒薄膜を担持することで光生成電荷の再結合を抑制できる手法である。約2.4 eVの適切な禁制帯幅と正の価電子帯端を有するバナジン酸ビスマス(BiVO₄)は、太陽光駆動型有機物酸化に有望な光アノード材料として注目されている。希土類元素は光吸収能の向上、結晶成長抑制による表面積増大、光励起電子の捕捉による電子-正孔対再結合抑制など多くの利点を持つ。
しかし、BiVO₄は狭い禁制帯幅と短い正孔拡散長に起因する光生成電荷の過度な自発的再結合、低い電子移動度、遅い酸化反応速度といった問題を抱えている。さらに、希土類元素を添加したBiVO₄を実環境廃水処理に応用した研究は極めて限られており、実用的有効性の検証が不十分である。
そこで、本研究ではLa³⁺を添加したBiVO₄ナノスケール光アノード膜を電気化学的に合成し、実産業排水への適用を行うことで上記課題の解決を図った。密度汎関数理論計算により、La原子が単斜晶BiVO₄構造を変化させることなくBiサイトを置換することが明らかとなった。光電気化学測定では、10%La添加試料が純BiVO₄の2倍以上の光電流密度を示した。アルミニウム陽極酸化産業からの実排水に対し、120分以内に効果的な脱色と無機化を達成した。なお、光励起に用いる励起光源としてCobolt社製355 nmレーザーを光発光分析に使用し、材料の電子構造特性評価を行った。
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
フォトルミネッセンスに使用された355nmレーザー
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