Gilicze, B., Seres, I., Bengery, Z., Bartyik, T., Csizmadia, T., Gulyás Oldal, L., Nagymihály, R. S., Jójárt, P., Börzsönyi, Á., Várallyay, Z. “Tunable repetition rate, compact, carrier-envelope phase stable sub-2-cycle, 1 mJ laser system for high harmonic generation.”
フェムト秒・アト秒領域の超高速現象の解明には、高尖頭出力かつ電場を精密に制御可能な超短パルス光源が不可欠であり、近年急速に研究が進められている。特に数百ギガワットを超える尖頭出力は高次高調波発生を駆動し、アト秒パルス生成を可能にする。また、高い繰り返し率はデータ取得の迅速化と信号対雑音比の向上に寄与する。さらに、光電場の搬送波と包絡線の位相関係を示す搬送波包絡線位相(CEP)の安定化は、孤立アト秒パルス生成など光電場の精密制御を要する応用において必須である。ELI ALPS施設では、100 kHz動作のHR1レーザーシステムが高次高調波発生応用に供されている。
しかし、HR1システムはイッテルビウム添加ファイバー増幅器構成に起因して繰り返し率の可変性を持たないという問題がある。ファイバー増幅器ではエネルギー蓄積時間が長いため、増幅前に繰り返し率を下げるとパルスエネルギーが過大となり飽和や損傷を招く。また低繰り返し率での連続励起は増幅自然放出光の増大を引き起こす。一方、増幅後のポッケルスセルによる制御は高平均出力と低CEP雑音の両立が困難である。
そこで本研究では、繰り返し率可変のYb:KGW CPA前段光源(Pharos)と2段の多重パスセル非線形圧縮段を組み合わせることで、10 Hzから10 kHzまで可変な繰り返し率、1 mJ以上のパルスエネルギー、5.7 fsの変換限界パルス幅、および300 mrad以下のCEP安定性を達成した。ビーム品質の評価にはGentec社製Beamage-M2が使用され、M²値としてx軸1.0、y軸1.16という回折限界に近い値が得られた。本システムは3×1.5 mの光学定盤上に収まる小型設計であり、反応顕微鏡を用いた運動量分光実験において8時間以上の安定動作を実証した。
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
論文で指定されたGentecのビームプロファイラー

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