Lv, R., Zhou, H., Tian, S., He, P., Pan, J., Feng, L., Zhen, Y., Zhu, J., Tian, W., He, X., Wei, Z. “Power scaling of fundamental-mode thin disk laser using gain enhanced soft aperture resonator.” High Power Laser Science and Engineering, 2026. https://doi.org/10.1017/hpl.2026.10120
アト秒科学や極端紫外光リソグラフィ、高度な材料加工において、高平均出力かつ高エネルギーの超短パルスレーザー源は不可欠な基盤技術である 。その中で、厚さ約100マイクロメートルの円盤状結晶を増幅媒体として用いる「薄型ディスクレーザー」は、軸方向の優れた放熱特性と光学非線形性の抑制を両立できることから、出力向上に最も適したプラットフォームとして注目されている 。この技術は、アクティブミラーとして機能する薄型結晶により効率的な熱管理が可能であり、数キロワット級の平均出力や数百ミリジュール級のパルスエネルギーを実現できる極めて高い潜在能力を有している 。
しかし、基本横モードを維持したまま出力を増大させるには、励起光とレーザーモードの径を一定の比率で拡大する必要があり、回折の影響が弱まることで共振器長が5メートルを超えるなど装置が大型化・複雑化するという課題がある 。また、高出力動作時には薄型ディスク内の熱レンズ効果や非球面収差によってビーム品質が著しく劣化し、産業利用に向けた装置の小型化と安定した単一横モード発振の両立が困難であった 。
そこで本研究では、利得増幅ソフトアパーチャ共振器(GESAR)と称する新たな設計手法を導入し、5メートル未満の小型な共振器で300ワットの基本モード出力を達成した 。二枚のディスクを配置し、一方のレーザーモード径を励起光径に対してあえて従来比を超える96%まで拡大することで、励起領域外の損失を利用した「ソフトアパーチャ効果」を最大限に引き出し、不要な高次モードを効果的に抑制したのである 。出力ビームの評価には、Gentec-EO社製のビーム品質分析器(Beamage)を使用して、ビーム品質M^2が1.15以下という回折限界に近い優れた特性を確認することに成功した 。この成果は、高エネルギー再生増幅器の小型化と実用性を大幅に向上させ、実験室への高度なレーザーシステムの統合を促進するものである
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
論文で指定されたGentecのビームプロファイラー

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