Akshay Raj R, Munukutla Sri Sai Satish, Shyamal Mondal. “Tunable Wavelength generation from PM Yb-doped fiber laser modelocked by NAbLM.” Optical and Quantum Electronics, 2026. https://doi.org/10.1007/s11082-026-08768-6
医療、材料加工、非線形光学など多岐にわたる応用分野の需要拡大を背景に、1 µm帯で動作する超高速光ファイバーレーザーの研究が近年急速に進展している。こうしたレーザーの実現には、モード同期技術が不可欠である。モード同期とは、共振器内の多数の縦モードの位相を揃えることで極めて短いパルス列を生成する技術であり、特に受動モード同期においては可飽和吸収体と呼ばれる素子が中心的な役割を担う。光強度が高い場合に透過率が増大するという非線形光学効果を利用するこの素子は、実在型と人工型に大別される。人工可飽和吸収体(ASA)の一種である非線形吸収ループ鏡(NAbLM)は、光ファイバーループ内に吸収体を組み込んだ構成であり、高い耐光損傷性と環境安定性を両立できる点で注目されている。また、偏波保持(PM)光ファイバーを用いた全光ファイバー構成は、外部環境の乱れに対して堅牢であり、実用的なシステム構築に適している。
しかし、カーボンナノチューブや黒リンなどの実在型可飽和吸収体は、耐光損傷閾値が低く、温度依存性や動作中の劣化といった問題点がある。またNAbLMを用いた従来のYb添加光ファイバーレーザーでは、図8型構成における全PM化と波長可変性の同時実現が達成されておらず、既報のNAbLMを用いた研究のほとんどは波長固定の出力にとどまっていた。
そこで、本研究では非線形ループ内に吸収体として機能するYb添加シングルクラッド光ファイバーを非対称配置し、帯域通過フィルターを排除した全PM図8型共振器を構築することによって、1048 nmから1069 nmにわたる20 nmの波長可変域を実現した。これは全PM図8型レーザーとしての最大可変幅の報告である。出力平均パワー約20 mW、信号雑音比60 dB以上、繰り返し周波数11.35 MHzの安定したモード同期パルスが得られ、3時間にわたる出力変動は0.3%未満であった。Gentec社製光ファイバー結合型パワーメーター(GENTEC XLP12-3S-H2-DO)は、空洞からの平均出力パワーの計測に使用された。

※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
中赤外レーザーの出力測定に使用されたパワーメーター

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