Lee, C., Yu, J., Shin, J., Yu, J., Heo, Y., Lee, M., Yu, D., Park, Y. & Heo, W.D. “Optogenetic storage and release of protein and mRNA in live cells and animals.” Nature Communications 2025, 16, 6230. https://doi.org/10.1038/s41467-025-61322-y
細胞は膜を持たない構造体である生体分子凝縮体を形成し、内部空間を効率的に組織化することで様々な生化学反応を制御している。生体分子凝縮体は、多価相互作用を介して足場となるタンパク質が集合することで形成され、シグナル伝達の促進や生体分子の貯蔵といった重要な機能を担っている。近年、この凝縮体の機能を人工的に再現・制御する研究が急速に進められており、特定のシグナル経路の増強や液滴様の物理的性質の模倣を目指した人工凝縮体の開発が行われている。
しかし、既存の人工凝縮体は様々な生体分子と動的に相互作用するため、特定の標的分子を精密に隔離する能力に欠けていた。また、タンパク質の貯蔵が可能な既存の合成凝縮体はmRNAの貯蔵には対応しておらず、タンパク質とmRNAの両方を可逆的に制御できる系は存在しなかった。
そこで、本研究では多価性を最適化した足場タンパク質、光遺伝学的スイッチ、および標的結合ドメインを融合させたRELISR(Reversible Light-Induced Store and Release)と名付けた光応答性凝縮体系を開発することによって、この問題を解決した。RELISRは暗所でタンパク質やmRNAを凝縮体内に貯蔵し、青色光照射により放出することを可能にした。光照射にはCobolt社製の488 nm波長レーザー発振器を用い、全細胞刺激および局所刺激の両方で凝縮体の解離を誘導した。本系はHeLa細胞、線維芽細胞、ラット初代海馬神経細胞において機能し、Vav2などのシグナルタンパク質の光誘導放出による細胞形態変化の制御に成功した。さらに、mRNA-RELISRを用いた標的mRNAの翻訳制御を試験管内およびマウス生体内で実証し、光依存的な遺伝子発現制御の可能性を示した。
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
細胞刺激に使用された488nmレーザー

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