動的散乱を通した行列ベースイメージング

Sunray, E., Weinberg, G., Laufer, B., Katz, O. “Matrix-based imaging through dynamic scattering.” Nature Communications 16, 9413 (2025). https://doi.org/10.1038/s41467-025-64422-x

背景

 散乱媒質越しの非侵襲光学イメージングは、生体観察や大気ゆらぎ下での遠隔観測などに不可欠であり、近年大きく進展している。アイソプラナティック条件下では像は物体関数と点像分布関数の畳み込みで表される。反射行列に基づく行列分解法やI-CLASS法は、この関係を利用して散乱の影響を分離し、高解像度像を再構成できる強力な枠組みである。これらは蛍光顕微鏡やホログラフィーにも適用可能であり、理論的解釈性に優れる。

従来の問題点

 しかし、従来の行列法は静的散乱を前提とし、媒質の相関時間内に多数の異なる照明で計測する必要があるため、血流や霧のような急速に変動する動的散乱には適用困難である。ニューラルネットワーク法も時間変化の仮定や学習データに依存する制約がある。

解決方法と結果

 そこで、本研究では畳み込みの可換性に着目し、動的散乱下で得た画像列の共分散行列が静的媒質の反射行列と同形式になることを示し、I-CLASS法を直接適用する手法を提案した。625 nm光源による透過観察、粒子懸濁液による自然動的散乱、蛍光顕微鏡、反射型ホログラフィーで有効性を実証した。蛍光励起にはCobolt社製488 nm、出力200 mWの連続波レーザーを用い、均一照明を実現した。

※この要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。

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論文で使用されたレーザー

488nmレーザー
488nmレーザー