Eremina, V. A., Eremin, T., Jiang, H., Dhama, R., Odutola, J., Caglayan, H., Tkachenko, N. V., Obraztsov, P. A. “1D Light-Emitting MAPbBr₃ Perovskite Encapsulated in Carbon Nanotubes.” Adv. Funct. Mater. 2025, 35, 2503397. https://doi.org/10.1002/adfm.202503397
ABX₃構造(ペロブスカイト構造)を持つハロゲン化ペロブスカイトは、組成により禁制帯幅を制御可能であり、太陽電池や発光素子への応用が急速に進められている。特にメチルアンモニウム鉛臭化物ペロブスカイト(MAPbBr₃)は、直接遷移型の禁制帯を有し、高い光発光量子収率と製造の容易さから注目を集めている。ペロブスカイト太陽電池は変換効率25%を超え、発光ダイオードの量子効率も30%を上回るに至っている。一方、高い熱的・機械的安定性と広帯域吸収特性を持つ単層炭素ナノチューブ(SWCNT)は、その中空構造を利用した物質内包の基盤として期待されている。
しかし、ペロブスカイトは水分、酸素、光、熱に対して化学的に不安定であり、実用素子への応用が困難である。また、結晶サイズの違いにより光発光波長が変動し、柔らかい格子構造に起因する強い電子-格子相互作用が自己捕獲励起子状態を生じさせ、発光スペクトルの広幅化と不均一性をもたらすという問題があった。
そこで、本研究ではMAPbBr₃ペロブスカイトをSWCNT内部に気相法で内包することにより、これらの課題を解決した。内包により一次元ペロブスカイト構造が形成され、528 nmに単一の狭帯域発光を示し、従来の単結晶で見られた540〜600 nmの広帯域発光が均一化された。また、SWCNT へのp型ドーピングによりシート伝導率が約2倍に増加した。テラヘルツ時間領域分光法において、Cobolt社製473 nm連続波半導体レーザーによる光照射下で18±3%の伝導率低下、すなわち負の光伝導応答が観測され、省エネルギー型光検出器等への応用可能性が示された。

※この要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
伝導率測定に使用された473nmレーザー
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