フォトニクス最新ニュース
世界の光技術に関する最新動向を、信頼できる情報源から厳選してお届けします。レーザー顕微鏡、レーザー分光、量子光学をはじめ、幅広いフォトニクス領域の研究開発・産業動向をわかりやすく解説します。
無標識で生細胞を観る「干渉散乱×画像走査」顕微鏡
米スタンフォード大(W.E. Moerner らのグループ)が、干渉散乱顕微鏡とアレイ検出器型の画像走査法を組み合わせた新顕微鏡「iISM」を開発。蛍光標識なしで約120nmという高分解能を実現し、低照射パワーで生細胞を長時間ダメージ少なく観察できます(Light: Science & Applications 掲載)。
AIで超解像SIMをリアルタイム化「UBSIM」
米UCサンディエゴ校が、構造化照明顕微鏡(SIM)の画像再構成にAI(アルゴリズム・アンローリング)を組み込んだ「UBSIM」を開発。物理モデルに基づくため偽構造(ハルシネーション)を抑えつつ、生細胞を最大50フレーム/秒の超解像動画で観察できます(Nature Communications 掲載)。
超解像SIMを簡素化する新手法「PCA-iSIM」
南京理工大学(SCILab、Chao Zuo 教授ら)が、DMDを使う非干渉SIMに主成分分析(PCA)を組み合わせた「PCA-iSIM」を発表。約100nmの分解能と最大30フレーム/秒のリアルタイム撮像を、従来のレーザーSIMより約70%シンプルな光学系で実現しました(Laser & Photonics Reviews 掲載)。
非等間隔コムで「感度と速度の両立」を実現
中国・山西大学のグループが、CWファイバーレーザーと単側波帯位相変調器だけで作る「非等間隔モードの周波数コム」による自己ヘテロダイン分光を実証。デュアルコム分光より約1桁高い感度を保ちつつ、ナノ秒・単発で微弱な分子吸収を計測でき、時間分解分光の長年の課題を解消しました(Nature Communications 掲載)。
放物面鏡キャビティ増強ラマンで微量ガスを高感度検出
放物面鏡とマルチパスセルを組み合わせ、励起強度とラマン散乱の収集効率をともに高める「放物面鏡キャビティ増強ラマン分光(PM-CERS)」を提案。従来のマルチパスセルに比べ信号強度・S/Nを数倍に高め、空気中の窒素・酸素・水蒸気・CO₂などをppmレベルで短時間に検出できます。
コンパクトなテラヘルツ・デュアルコム分光
全デジタルで生成した適応クロックを用いる小型テラヘルツ・デュアルコム分光システムが報告されました。超安定レーザーを必要とせず、1.6THz帯で2万本超のコム線を分解。高安定なサンプリングにより、テラヘルツ領域での精密計測の実用化に近づく成果です(Advanced Physics Research 掲載)。
もつれ光に隠れた「48次元」のトポロジー
南アフリカ・ウィットウォーターズランド大などが、ごく一般的なもつれ光子(SPDC)の空間構造の中に高次元トポロジーが潜むことを発見。光の軌道角運動量だけで最大48次元・1万7千超のトポロジー的特徴を観測し、ノイズに強い量子情報の符号化に向けた新たな「アルファベット」を示しました(Nature Communications 掲載)。
異なる量子ドット間で270mの光子テレポーテーション
独パーダーボルン大とローマ・サピエンツァ大などの国際チームが、別々の量子ドットが放つ単一光子の偏光状態を、270mの自由空間リンク越しにテレポーテーションすることに初成功。忠実度は82%に達し、量子中継器を介した実用的な量子インターネットへの重要な一歩です(Nature Communications 掲載)。
量子ドット単一光子源で120kmの量子鍵配送
独中の国際チームが、テレコム帯の半導体量子ドットが放つオンデマンド単一光子と時間ビン符号化を用い、120km超の光ファイバーで安定した量子鍵配送(QKD)を実証。6時間以上の連続運転を実現し、固体単一光子源を使う実用的な量子通信網への一歩となりました(Light: Science & Applications 掲載)。
可視メタレンズを「毎秒300個」量産する製造法
韓国・成均館大などのグループが、ロールtoロールのナノインプリントと二酸化チタンの共形コーティングを組み合わせ、可視光メタレンズを毎秒300個・全長200mのアレイとして連続量産する技術を実証。従来レンズ並みかそれ以下のコストで、フラット光学の本格的な商用化に道を開きました(Nature 掲載)。
光の生成・制御・読出しを1チップに集積
豪モナッシュ大などが、光の「バレー自由度」に情報を載せ、その生成・経路制御・電気信号への変換を1つのチップで完結させる集積バレートロニクス回路を初実現。原子数層の薄膜材料とメタサーフェスを積層し、室温動作で2枚の画像を同時処理。低消費電力な光コンピューティングや量子技術への応用が期待されます(Nature Photonics 掲載)。
原子層材料の微小共振器で光を数百万サイクル閉じ込め
フィンランド・アールト大などが、壊れやすいファンデルワールス材料をアルミ薄膜で保護してナノ加工する手法を考案し、超平滑な微小ディスク共振器を作製。Q値100万超(損失は1サイクルあたり約100万分の1)を達成し、従来比3桁の性能向上と1万倍の波長変換効率を実現。オンチップの量子光源やセンサーへの応用が見込まれます(Nature Materials 掲載)。
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