Marín-Aguilera, G., Pennacchietti, F., Volpato, A., Papalini, A., Kulkarni, A., Bagheri, N., Minet, G., Widengren, J. & Testa, I. “All-optical strategies to minimize photobleaching in reversibly switchable fluorescent proteins.” Nat. Commun. 16, 10843 (2025). https://doi.org/10.1038/s41467-025-67009-8
蛍光顕微鏡法は生細胞イメージングにおいて重要な手法であり、特に回折限界を超える空間分解能を実現する超解像顕微鏡法の発展により、細胞内微細構造の可視化が可能となった。光照射により発光状態と非発光状態を可逆的に切り替えることができる可逆的光スイッチング蛍光タンパク質(RSFP)は、RESOLFT法や非線形構造化照明顕微鏡法などの超解像技術、さらには発光特性の違いを利用した多重標識イメージングにおいて広く活用されている。RSFPの光スイッチング機構は発色団のシス-トランス異性化とプロトン化・脱プロトン化に基づいており、数千回以上のオン-オフサイクルを繰り返せることが高品質な画像取得の鍵となる。
しかし、RSFPは繰り返しの光照射により蛍光強度が徐々に低下する光スイッチング疲労(光退色)を示し、これが長時間撮影や超解像イメージングの大きな障壁となっていた。従来の光退色低減手法は培地への化学薬品添加や培地組成の最適化に依存しており、生理的条件を損なう可能性があった。
そこで、本研究ではrsEGFP2を中心にRSFPの光退色経路を詳細に解析し、三重項状態を経由する経路とオンスイッチング過程に由来する経路の二つを同定した。オンスイッチング光の照射時間を延長し出力密度を下げることで初期蛍光低下を抑制し、さらに592 nmまたは915 nmの光を同時照射することで三重項状態からの逆項間交差を促進し、光退色を最大15〜20%回復させた。この手法を並列化共焦点顕微鏡およびRESOLFT超解像顕微鏡に適用し、生細胞における長時間タイムラプス撮影を実現した。Cobolt社製の405 nm、488 nm、および915 nmレーザーは、それぞれオンスイッチング、蛍光励起・オフスイッチング、および三重項状態の光誘起脱励起に使用された。
※本要約は、オープンアクセス論文(CC BY 4.0)に基づいています。
RESOLFT超解像顕微鏡に使用された405nm, 488nm, 915nmレーザー
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